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| スタッフコメント-1
富士見書房・ファンタジア文庫 編集長 白山隆彦 DVDの副音声で司会を努めさせていただいた、富士見書房の白山です。今回の高田先生久々のパトレイバー画集はこれまで富士見書房で制作されたどんな画集よりも質・量ともに大変に豪華なものになっていると思います。その点に関しては高田先生は元よりスタッフの方々の努力の賜です。 画集を見ていただければ分かるのですが、イラストとして描かれた泉野明の姿は絵に描かれたキャラクターではあるが「成長」している……と思わせるだけの迫力があります。この1冊の画集で新たな『パトレイバー』の魅力を発見することができるでしょう。 今回のパトレイバー画集は(株)スパルコという強力なスタッフによって富士見書房のこれまでの画集のラインとはひと味もふた味も違った、書籍になっていることは間違いありません。ちなみに、実際の本づくりはスパルコさんに取り仕切っていただいたので、僕がこの書籍で担当したのは、外郭的な部分に始終しておりました……あ、冒頭にも書きましたが、DVD副音声の司会もですね。これに関しては、あまりいい司会ではなく、副音声を聞いていただければモロバレなのですが、富永みーなさんに助けられております。まぁ、餅は餅屋ということで……。 富士見書房ではこれまでパトレイバー画集を2冊、『機動警察パトレイバー』の小説を7冊刊行してきました。今月末に前々から噂だけが先行していた『WXV機動警察パトレイバー』の公開と時を併せる形で、「パトレイバーのイラスト」の集大成とも言うべき書籍を刊行することが出来たのは感慨深いものがあります。 特に楽屋落ち的な話なのですが、ドローイング集のラフには当時の担当者宛の名前が入っているものがあり、「そういえば、このころはあの人が担当していたんだっけなぁ」などと懐かしさを感じる場面が何度もありました。 また、高田先生とは何度もお仕事をさせていただいているのですが、今回のDVDで高田先生が絵を描くところを初めて拝見したのです。思わず富永みーなさんと同じ感想を持ってしまったことは内緒です(笑)。 とにもかくにも、いい本が出来上がりました。高田先生、スタッフのみなさん、お疲れさまでした。 PS.『WXIII 機動警察パトレイバー』のノベライズが富士見書房から発売が予定されております。詳しくは富士見書房の雑誌等でお知らせいたしますので、こちらもよろしくね。 スタッフコメント-2 「now or never 一問一答making」 クリエイティブディレクター(株)スパルコ 内藤啓二 1)「now or never」は、なぜこんなに高いんですか? それは富士見書房さんに聞いてください(笑)。 でも、全体の仕様を考えれば決して高くはないと思いますが・・・ご意見ください。(最後まで価格の事を心配してらしたのは他でもありません、高田さんご自身です!) 今回は『機動警察パトレイバー』の約14年分のイラスト集ということで、かつてない量のイラストを扱う必要にせまられました。カラー150点以上、ドローイング100点は、もはや大作です! 加えて『パトレイバー』が高田さんにとっては、現在のスタイルを確立する上でターニングポイントとなった重要な作品であることなどから、その魅力をどういう形で商品にするか・・・・結果、2冊の画集(カラー画集196ページ+ドローイング集64ページ)+DVDというパッケージになったわけです。 カラー画集は、他の画集に負けないくらい高田さんのイラスト、『パトレイバー』のイラスト世界に合った紙が厳選されました。 高額な紙を使うことで悪戯に価格を高くするということではなく、なるべくオリジナルイラストの再現性を重視しました。決定に際しては、私の方から指定した紙と印刷の現場から提案された紙をテストプリントし、高田さんの意見が加えられて決定。ポイントは色の乗りと色彩の発色、そして高田さんのイラストの魅力であるパステルの表現力です。パステルがざらついた感じでなく、なめらかなタッチであざやかに再現されるような紙を選びました。結果は・・・見てのお楽しみです。ぜひ実際に見て確かめてください。 こうしたこだわりは、絵のセレクションでも徹底しました。今回のカラー画集には、これまでの画集に収録されていた<セル画>は掲載されていません。理由は、着彩のフィニッシュまで高田さん自身が描いていないという理由からです。セル画のためのラフやトレース画は、ドローイング集に一部掲載されています。「高田さんが手で描いたものだけでまとめる」「今、この時代に手で絵を描くということを伝える」というのは、今回の画集全体のコンセプトテーマとも言えます。 カラー画集はイラストの最終完成作品を収録したものですから、巻末に掲載されている初出データ以外の部分は、すべて高田さんにご自身に原稿をお願いしました。『パトレイバー』を描いてきた14年という時間、そしてキャラクターたちへの想いなどをカラー画集にパッキングしました。 画集全体のオリジナルの描き下ろしイラストはカバー用のイラストを入れて2点。加えて『WXIII』のチケットDVDのピンナップ用に描かれた別バージョンイラストをさっそく収録してプラス2点(なぜ2点か?それはチケットDVDのものと較べて見ると分かります)、それにモノクロのドローイングの新作3点収録しています。 特にモノクロのドローイングは、高田さんがすべての作業を終えられて、その気持ちのまま描かれたドローイングとして完成されたイラストです。(必見!) 私は最終作業のさなか、このイラストでずいぶん癒されました。見てのお楽しみです。 2)なぜ「ドローイング画集」がついているのですか? 5年前に『パトレイバー』のCD-ROM画集『eyes』を制作した際、CD-ROMならではのものを入れたいと考えました。既存の高田さんのイラストを制作側でこねくり回すのではなく、きちんとした形で、しかもイラストを描くという形で参加してもらいたかったのです。 その結果生まれたのが「holiday」というショートドラマです。野明と遊馬が香貫花にビデオレターを送るために湾岸の海浜公園にやってきた、休日の何気ない一日・・・というショートドラマです。脚本は『パトレイバー』TV&NEW OVAシリーズや小説版でおなじみの横手美智子さん、そのシナリオに高田さんがイラストを描き、冨永みーなさんと古川登志夫さんがセリフを入れる。問題は、それだけの時間をもたせられるだけの絵の枚数を多忙の高田さんが描けるか?ということでした。 「あの〜、ラフを描いていただければこちらで取り込んで色などつけますが・・・」となるべく手数を減らす提案をしたところ、目の前でババババッと脚本のシチュエーションに合ったラフを何枚か描き始め、「私、マックで描いてみます!背景はデジタル処理でいけますよね」と、結局オール高田さん直筆の"デジタル着彩"が決定しました。(今回の画集には、この時のカラーデジタル画とラフドローイングが掲載されています) そのとき高田さんが描いたラフを見て、いわゆるマンガ的な描き方ではなく、全体の形から描いていくデッサンからのものであることに気が付きました。アニメのキャラクターの雰囲気を残しながら描かれるリアルな線、そしてスピード感溢れるタッチや動きなど・・・・。これまでイラストを発注したメーカー担当者か、出版社の担当編集者しか見たことがなかったものばかりです。私もこのドローイングの魅力にとりつかれ、『eyes』では、野明表情のラフドローイングをCD-ROMレーベルやリリース後の展覧会のポスターにまで使いました。 「いつかはドローイング画集を・・・」と実はそのころから暖めていたのです。 ドローイング画集には、高田明美というイラストレーターの様々な試行錯誤、キャラクターへのアプローチの痕跡が「生」の形で残されています。迷いがあるとき、線は何度もキャラクターを往復します。また、イメージが決まったときは、おどろくほどスピード感溢れるタッチでキャラクターが描かれます(あたかもそこに形があるように!)。ドローイング画集には、描いた当時を思い返していただいて話してもらったコメントをキャプションで収録しています(ほぼ全イラスト分あります。カラー画集に完成イラストのあるもの、完成イラストの別バージョンのものは、ページリンクを記載しています)。そして、ゆうきまさみさんとは「キャラクターを創っていく、描いていくこと」をテーマに対談をしていただきました。OVAの時にゆうきさんからキャラクターを預けられた際のエピソードやビデオやコミックスでの絵の共同作業などの話しなど、資料もあわせて充実した内容で紹介しています。 カラー画集のコメント80点もこちらに収録されているので、読み物としてはかなり充実した内容です。 3)DVDにはどんなものが入っていますか? まず、今回描き下ろしをしていただいたカバーイラストの<メイキング映像>が収録されています。ロケーションハンティング(写真撮影やロケーション決定の様子)やラフスケッチ、2日間にわたるマスキング作業、そして着彩のプロセスなどをコメントを交えて約35分間の番組にまとめました。「絵を描いている人や、これから描く人、ファンの人には是非見て欲しい」という高田さんからの思いがこの番組にはこめられています。 もうひとつは、「小説挿絵ギャラリー」を収録しています。 高田さんは、富士見書房の『パトレイバー』の小説の<挿絵>を描いていますが、<挿絵>は小説のシチュエーションのイラストになっているため、絵だけ見せるのは不親切と考えました。また、この春にはパトレイバーの最新劇場版『WXIII 機動警察パトレイバー』が公開されますが、外伝的な内容で、従来の第2小隊の活躍はあまりありません。でも、高田さんのイラストのメインキャストは、やっぱり野明です。この際、なんとか冨永みーなさんをジョイントさせたいと思ったのです。 そこで、小説の著者である伊藤和典さん、横手美智子さんの許諾をいただき、小説の一部を冨永さんに「朗読」をしていただいて、<挿絵>を映像ギャラリーとして見せるという規格になりました。冨永さんにお願いしたところすぐにOKの返事。こうして、冨永みーなさん朗読の「小説挿絵ギャラリー」が収録されることになったのです。 さらに特別付録として、DVDならではの機能を生かし、35分の<メイキング映像>の副音声にお二人の対談を収録しました。朗読を終えて、久しぶりに野明を演じた冨永さん、それをご覧になった高田さんの対談は、『now or never』の全てを見ていただいたファンへのサービスです。 購入された方は、ぜひ最初にDVDの副音声からではなく、カラー画集、ドローイング集、主音声の番組を見てから副音声の対談を見ることをおすすめします。(この点は、高田さんからも強くお願いされてます・・・・) |
| 4)『now or never』の仕上がりはどうですか? 今回の本における私自身のサブの目標は、「私の知っている高田明美さんの魅力をファンの方、それから新しくファンになる方になるべく多く知ってもらうこと、伝えること」でした。特に『パトレイバー』は、本の中でも高田さんが書いていらっしゃるように、今のスタイルを確立する上で非常に重要な作品です。それはやはり手で描いてきた歴史であると思います。今回は、DVDによってカバーイラストのほぼ全行程を映像で治めることができました。冨永みーなさんが対談の中で「絵を描いている高田さんって力強い!」と感想を話してますが、これはやはり映像でないと伝わりません。それから『パトレイバー』のイラストのこと、絵を描くということ、キャラクターのことなどを一言一言、言葉を選んで話される高田さんの声のニュアンスやちょっとした表情なども映像メディアでなければ表現できないことです。上記のドローイング画集は、決して種明かしとか裏ネタ的なところで収録したわけではなく、未完成の鉛筆の線の中にある様々な思いがドローイングには感じられるのを伝えたいと考えたからです。 最後に画集「now or never」は、"カラー画集にドローイング集とDVDのおまけがついている"のではなく、2冊の本とDVD全部で<now or never>という高田明美さんの作品になっていると思います。 2002年3月8日 |
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