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<Salon del MANGA-La Farga de L'Hospitalet-報告> Date : 2001.11.15 ■4日目(10月27日【土】) 目が覚めて時計を見ると7時半、だが外はまだ暗い。今日の予定は11時半からのサイン会が最初。朝食は遅めの10時に i-melon さんと約束していたので、もう少しベッドでごろごろ。9時少し前にモーニングコール、9時半に揃って朝食をと誘われて、あわてて起きる。空は少し曇っているので、これならウールのスカートでも暑くはないのではと思い、サーモンピンクのセーターに白いロングスカートを選ぶ。布川社長にも本間さんにも好評。本当はスカートは普段滅多にはかないので、一応サービスのつもり。ただし坐ってしまえば、どうせ上半身しか見えないのだが‥‥ タクシーで会場に着くと、大きな会場の建物の周囲を長い人の列が取り囲んでいる。まさか!?と思ったが、本当に全部イベントの来場者だった。大変な人数で昨日とは較べものにならない。会場に入りきれるのかと疑うほどだ。早くもコスプレをしている人も混じっている。
控え室でちょっとの間、休んで、今日最初の仕事1回目のサイン会だ。サインをする時に椅子が用意できていなかったらしく、5分遅れてブースへ。整理券を持った人の列の他にブースを取り囲む人がいて、とても混雑している。今回のサイン会のために、日本であらかじめ描き下ろしてデータをS.A.V.に送った2種類の色紙が並ぶ。まどかとマミ。おしぼりはサイン会には付き物と思っていたが、日本独自のものでスペインに存在しないとのことで、ホテルの小さなタオルを用意、ペットボトルの水も置かれ、準備万端。搬入の日には、低すぎて小柄な私が埋没しそうだった椅子も、ちょうど良い高さの立派なものになっていた。
‥‥と、それは良いんだけど、いきなり始めるの?アナウンスとか、ご挨拶無し??ホセ・ルイスの顔をみれば、にっこりと頷くのみ。いまいち、心の準備ができていなかったが、とにかく目の前の人からサインを始める。しばらくは、こちらもぎこちなかったと思うがすぐに慣れてくる。そういえば i-melon さんもサイン会デビュー、しかも外国で!でも、すぐに、ずーっと昔から仕切っていたように、整理券を受け取り、色紙の絵柄を選んでもらい、要望があれば聞く、といった段取りをさばいている。整理券に書かれた名前が読みにくければ、書き直してもくれる。実際、日本人には、外国人の書いたアルファベットはくずし字になっていて読みにくいことが多い。私はサインペンの色を選んでもらいサインし、一緒の写真におさまってニッコリとする。なかなかリズムが良い。
慣れてくると雰囲気の違いもわかってくる。スペインの人は彫りが深く、目はパッチリ、いわゆる「濃い顔だち」なのだが、雰囲気は思いのほかソフトで恥ずかしがりやなのだ。どこの国に行っても、案外、ファンの人たちは似ている。違いは国民性で味付けされたニュアンスの差。会場で別の機会に、一緒に写真に入って欲しいと言ってきた人も控えめな態度で、おずおずと隣に並ぶ様子は日本人と全く変わらず、アメリカのコンベンションの時のようにいきなり肩をガバアッと抱いてくることなかった。アメリカでは、この「ガバアッ」がほとんどで、習慣に慣れていない私や先代エージェント壽桃さんは、そのたびに驚いていたものだった。 列はまだまだ続き、会場は明るく盛り上がっている。ほとんど全員の人が私と一緒に写真を撮り、ビデオをまわしている人もいる。髪の乱れと周囲の熱気で汗をかいてきたことで、写真の写りが心配だった。ブースにずーっと貼り付いていた女の子、整理券をもらえなかったらしい。あまりの熱意に負けて、色紙はあげなかったけれど、差し出したノートにサインしてあげる。両ほっぺに空キスのオマケ付き。1人に色紙1枚とファンの方が自分で持ってきた画集やポスター1、2点にサインしていると、予定時間がおしてくる。100人に対して2時間見るのがいつものペースなのだが、1時間半しかなかったので、やはり時間が足りない。この地球の裏側で何人集まるかと思ったが、整理券を出しておいてもらって正解だった。
そして布川社長の挨拶とぴえろ作品オープニング集などの上映会場へ。階段に並ぶ大勢の人たちは入場待ちの人たちだった。200席の会場は満員で、ノリはとてもよく、明るい。スタジオぴえろという制作会社の名前を知る人も多数いる。私も前に呼ばれて挨拶する。紹介されて大きな拍手をもらい、とても嬉しい。知っている作品には大拍手、大歓声、知らない作品にも絵の面白さに素早く反応し、ウケて、反応はとても良い。その後、布川社長が2、3質問を受け、作品上映の時間になり退席する。
昼食は筒井さんと一緒に会場と同じ建物の最上階、軽食の店が並ぶところに行く。中華の店もあったが、混雑しているし、せっかくなのでスペインのバスク地方の料理の店の空いているテーブルにつく。‥‥だがしかし、オーダーを取りに来ないのだ。筒井さんが何度か店の奥に入っていったり、ボーイさんに声をかけても、いっこうに来る気配がない。人がいないのではなく、料理を運んできたり、会計をすませたり、そのたびにそれだけをやって、また引っ込んでしまうのだ。30分以上が過ぎた。私たちのすぐ後に隣のテーブルについたグループも不安げな様子だ。イベントのせいで、いつになくこの店も混雑したに違いなく、きっと、もう働く気になれないのだ。つまり、もうオーダーを取りにくる気がないのだろう。日本と違うスペインのペースに慣れてきていたつもりだったが、これにはさすがに驚いた。午後からのインタビューの予定もあり、根比べをしている訳にも行かず、隣のセルフサービスの中華の店に移る。こちらは、何もかもが早い。おかわりまでして出てくると、先程のバスク料理の店で、後から来たグループのテーブルの上には赤ワインとパン。料理が来た気配は全くない。食事を終えて出てきた私たちを悲しげな目で見送っていた。 午後のインタビューはラジオ番組から。会場に来るタクシーの窓から見た大きなビルにあったカタルーニャのラジオ局。通訳のルイスの日本語の質問は、一瞬意味を考え直さなくてはいけない事もあって、テンポはばっちりとはいかなかったが、そばで聴いていた筒井さんが言うには答えはカタルーニャ語でふくらませて上手く答えていたという。書き忘れていたが、カタルーニャ地方の公用語には、カスティーリャ語(スペイン語)と並んで、この地方独自の言語であるカタルーニャ語が用いられている。勉強してきたスペイン語とはちょっと違っていたということ。
次に入っていた雑誌のインタビュー、実は今日になって問題が発覚していた。海賊版そのものの雑誌で、私がインタビューを受けてしまうと、その横行を認めてしまうことになるという。イベントを主催するFICOMICは、招聘元のS.A.V.とは違う団体で、こういった出版社ともつながりが深い。遠くから来ているので、なんとか受けて欲しいとFICOMICに言われる。だが、今回は、スタジオぴえろと正式に契約しようとしているS.A.V.の招待で来たのだから、そう言って、納得してもらった。こういう込み入った話は、すべて筒井さん、飯島さんや i-melonさんがしてくれる。こんな時は、本当に楽。ガードのない状態でイベント出席したら、私は言いなりになるしかないだろう。そばで待っている出版社の人と目を 合わせないように、こっそり坐っていたのだが、取材はあきらめても、実は私の大ファンなのでサインはして欲しいといわれて、ついつい応じる。「神様に誓って」雑誌には絶対に使わないと言うので、写真も一緒に撮った。ファンだといわれると、甘い私なのだった。 本日最後の仕事、3件目のインタビュー。3人が並んで順番に質問するのが微笑ましい。真ん中の人の目、怖いくらいの真剣さ。
タクシーで帰路につく。週末、郊外の別荘に向かう車で大渋滞。別荘はとても安く、しかしバルセロナ市内の土地はとても高い。かくして、週末は狭い市内の家を出て、日本人から見れば優雅な平日の5日間よりもさらに優雅な週末を郊外の別荘で過ごすのだ。飯島さんも i-melon さんもバルセロナで仕事をする方法がないかと夢の話。私は‥‥やっぱり日本が良いな。 布川社長と本間さんは先にホテルに戻っていたので、女3人と筒井さん、ホテルの近所のデパート、昨日ウィンドウショッピングしたところでタクシーを降り て、初めてのお買いもの。デパートが夜の10時まで営業しているのは驚きだ。
日持ちがするようにスライスではなくブロックで切り分けてもらうが、頼んだ大きさになる事は1度もなかった。200グラムといえば160グラム、700グラムといえば1.000グラム。いかに不定形のハムを切るとはいえ、そのアバウトさにも驚かされた。アンチョビの瓶詰め、黒胡椒をまぶしたハム、赤ワイン2本、しめて7.000ペセタ。飯島さんは、体調を崩してホテルに戻った本間さんのために果物を買う。楽しいお買いものの後、ホテル迄送ってもらい、筒井さんとお別れ。本当に細やかな気配り、お疲れ様でした。
あわてて店を出て、明朝9時半の朝食を約束して部屋に戻る。すでに11時。入浴してベッドにはいると、あっという間に眠りに落ちてしまう。 5日目へ |
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