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■ESSAY :March 2000

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高田先生の「気まぐれ更新日記」です。

<うららかな…>Date: 2004.03.30

 このところ昼夜逆転してしまい、その調整をどうにかつけようと、早く寝た り、長い時間起きたりと手を尽くしているものの、いっこうに上手くいきません。今、午前11時だというのに眠い眠い。日の目を見ずに暮らすと、次第に気分 も落ち込んでくるので、日曜日、久々に午前中の外出をしました。目的は花見。

 桜の咲いている道を辿ってどんどん歩く、とにかく歩く。木によっては二分咲き三分咲き、あるいは六分咲き。このところの寒さで開花が止まっていた桜も一斉に目覚めていくようです。すみれ色の空に淡い薄紅は本当に春らしい。毎年の事ながら、嬉しくなります。それと同時に、一年半前に永久の別れをした私のワンコのことが思い出されます。私はひたすら桜を仰ぎ見、イネはただただ地面の匂いをかぎ続け、およそ正反対の方角を見ながら、それでも一緒に歩いた毎日でした。桜を辿って思いがけず遠くまで来てしまい、帰りはちょっと疲れて休みながら帰りました。あの日と同じ、歩いているとじんわりと汗ばむ季節、犬を連れていない私はちょっとズルして、帰りはバスに乗ってしまいました。

 一番好きな花見は、実は昼間ではなく夜明けの散り際。リュックにおつまみとお酒を入れて近所の公園に行くのです。空が濃紺から青紫色に変わる頃、交番と トイレがセットになったもってこいの場所で、ベンチに座って夜気の中、はらはらと舞い落ちる桜の下で、イネを御相伴に一人酒をするのです。足下にぴたりと座って私の手の先を見つめるイネに、つくね団子の濃い味を吸い取ってからお裾分けして、ゆっくり飲むのが好きでした。犬と一緒じゃないとただの不審人物になってしまいそうで、去年は夜明けの花見はあきらめました。今年は、どうしよう‥‥気が向いたら行ってみようかな。

 誕生日の頃に咲く花であるせいか、薄紅の色のせいか、私は桜が好き。蕾から 散るまでを見届けて、私はまた、正月に続き三月末で気持ちを一区切りにし、本当に新年度が始まった気分になるのでした。

 
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