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■ESSAY :March 2000

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高田先生の「気まぐれ更新日記」です。

<今年の桜>Date: 2003.04.07

 自分の誕生日が近くなるとほころび始め、当日には例年見頃を迎えている桜を、やはり私は愛さずにはいられない。この季節を迎えるたびに何かしら心に想うことがあるのは、自分にとって満年齢の区切りを迎えるからに違いない。加えて、今年の桜が私にとって去年と違った意味を持つのは、やはり半年前の愛犬イネの死を抜きにすることは出来ない。

 1年前は、ようやく春めいてきた気温と楽になった花粉の飛散状況に喜びつつ、雨でもなければ毎日近所を散歩していた。日々霞みがかかったように色づく枝先を見上げ、沈丁花から始まる春風の香りを一杯吸い込んでいた。空を見上げる私と地面と会話するワンコが連れだってのご近所パトロールで、花の咲き始めを見逃す事無く、季節の扉を開く毎日だった。

 それが今年はTVで東京の桜開花宣言を見て、あわてて外に出た。すでに沈丁花やレンギョウ、コブシは満開、ソメイヨシノは2・3分咲いていた。去年までならご近所の桜が初めて咲く日に立ち会えていたのに‥‥そう思ったら涙がすうっとこぼれた。

 4月1日、お出掛けして井の頭公園で花見をする。公園の桜は8・9分咲き。平日でもあり、思ったほどには混んでおらず、肌寒いながらもゆっくりと散歩で きた。この日の花見は見頃の桜と、散歩中の“犬見”が楽しかった。ちょっとお年寄りのシェルティ、愛想のいいフレンチブルドッグ、ミニチュアシュナウザー、 お利口さんのゴールデンレトリバー、巷で話題のロングコートチワワ、パピヨン、犬種不明のチャコールグレーの細い犬‥‥中でも私はこちらの視線を目一杯意 識しながら澄まして歩き去った柴犬が一番好き!元々和犬は家族以外にはむやみに尻尾を振らないものなのだ。「でもイネ(柴系雑種)は愛想良かったよね、誰 にでも」と妹、「あの子はそこが良かったんだ、ミックスだし」と私。結局、自分の犬なら何でも良い親バカなのがバレてしまう。

 そして、今日は麗らかな春の日。薄く紫がかった青空は春の色。この日を逃しては、と思って近所のスーパーに行きがてら大回りして桜の咲き具合をチェッ ク。木によっては花びらを散らし始めていたけれど、枝をよく見れば、まだまだ蕾が隠れている。明日も桜を楽しめそう。咲きそろった白いハナニラを発見。こ の後は、八重の桜やハナダイコンが控えていて、マメにご近所パトロールをしなくっちゃ。

 日本列島の桜前線が日々のニュースになる、そんな国であることの平和と、その意味について考える“春”。
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