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| ■ESSAY :March 2000 | |
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高田先生の「気まぐれ更新日記」です。 |
| <銅版画の日々>Date: 2002.04.16 | |
去年の暮れからかかりきりだったPATLABORの画集の作業を終え、アニメ制作ソフトのサンプルムービーのキャラクターをデザインし、私にとってはお中元お歳 暮代わりのValentine's Dayのイベントを乗り切り、初めての落馬をし、青山GoFaでの個展を開き、文庫に絵を描き、確定申告を終え、新しいPower Mac G4を 導入し‥‥気が付けば、4月も半ばになっていて、3月のエッセイがなかったりして。 かねてから制作再開をもくろんでいた銅版画も、その合間を縫って作り始めま した。3月の最終週、日曜日にサイン会を控えた木曜、金曜、そして土曜の夜と銅版画に没頭していました。まずは、頭の隅にいつも置いてあった構想をラフに 起こし、下描きをし、それをトレシングペーパーに描き写し、いよいよ作業開始。塩化第二鉄やら、リグロイン、アルコール、松ヤニ、醤油‥‥色々な薬剤を さわって、手がボロボロべとべと。揮発性の薬剤が充満し、部屋の空気が悪くて頭が痛くなりました。 銅版画の作業中、パトレイバーの最初のOVAシリーズをオンエア中のケーブル テレビをつけっぱなしにしていました。ちょうど劇場でパトレイバーのWXIIIの公開を間近に控えてのことでした。懐かしかったです。怪獣あり、クーデターあ りで、あぁ、ここにその後に続く原型のすべてがある、と感じました。若気の至りの数々(?)に思わず画面に向かってツッコミを入れながら、手は忙しく作業 をしていました。 さすがにサイン会の前日は作業を一休みし、美容院に行きましたが、それでも家に帰るとついつい、薬剤を使わずに出来る作業をしてしまいました。美しい銅 版には不思議な吸引力があって、思わずその表面を愛で、慈しむように、精神エネルギーを注ぎ込んでしまいます。辛気くさいと思っていた、細かなニードルで の点描作業にも我知らず熱中していて、自分でも驚いています。 そして、4月11日、銅版画の作業の様子の取材が入りました。当初の打ち合 わせでは7人取材に来るということ。うちのリビング兼作業スペースにそれほどの人数が入るとは思えず、少し減らして下さいとお願いしておいたはずが、当日 現れたのは10人!私が作業机から流しに移動するのをムービーのカメラが追いかけて来る時など、人並みをかき分けて進み、まさに"十戒"状態です。本当は、 もう少し頑張ろうと思っていたのだけれど、一通りの作業をムービーとスチルで押さえた後、銅版に点描を打つプロセスはさすがに集中力も必要で、しかも2時 間はかかりそうだったので、皆さんにお引き取り願いました。ミッシリと人の詰まった部屋で、点と点の間に点を打つ細かい作業をするのは、やはり無理でし た。この様子はArtvivantの次の会報に掲載される予定です。まだインタビューが残っていますが、あの混乱状況がどのような記事にまとまるかは、ちょっと楽 しみです。 ちなみに、PATLABOR画集付属のDVDの表紙イラストの着彩作業撮影は気心の知 れたスタッフが2人来ました。時々お茶を飲みながら絵の具の乾き待ちして、その時はかなり集中して作業したつもりでも、今思えばのどかなものでした。今回 は一緒に作業した妹の高田美苗も加えて、最高12人もの人間がいる状態のリビングはいかに過密なものだったか想像していただけると思います。翌日は人にあ たったような感じで昏々と眠り、深夜に起き出して作業再開。やはり銅版画は孤独な作業が似合います。いったん始めるとなかなか止められないので、銅版画制 作集中月間は寝不足の日々が続くのでした。 |
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